2012年7月29日日曜日

そうだ、フェデラル・ホールへ行こう

NY証券取引所の壁に掲げられた星条旗。
最初の方で言っていた通り、結局俺は勉強とインターン以外の用事でNew Yorkを出歩くことが最初のセントラルパークを除き一切無かった。このままだと俺のアメリカでの記憶の70%以上が部屋の机と白い壁と渓流と孤島と凍土と砂原と火山になってしまうことが判明したので、フェデラル・ホールへ行ってくることにした。フェデラル・ホールの理由はメタルギアに決まってんだろ。


ウォール・ストリートから見たフェデラル・ホール(左)。まだ朝早いのにもう観光客がいっぱい居た。


 朝7時ぐらいに家を出てわずか20分足らずで目的地のフェデラル・ホールに到着した。近い。近所に散歩に行く感覚で観光ができる所に俺は住んでいたらしい。土曜日の朝なのでここも例外は無くうんこ、ゲロ、ゴミが散乱しまくっていて、更にウォール・ストリート近辺は現在絶賛工事中なのでとても風光明媚とは言えない。New Yorkを観光する人には是非上を向いて歩くことを勧める。下にはいろいろな種類の絶望しかない。絶望しか無いんだ。


「ジャック・・・ッ!!よく聞けェ・・・!!」の場所。この上の星条旗が置かれている場所でソリダスと雷電は斬り合ったり、ソリダスの爆熱ローラーブレードが火を噴いたりした。ちなみに俺はMGS2の全台詞の中でこの「ジャック・・・ッ!!よく聞けェ・・・!!」が一番好きである。
 フェデラル・ホールの下の方にはジョージ・ワシントン像があったのだが、写真で分かる通りすぐ下まで登って記念撮影しても良いようだった。その手前には常に警察官が配置されていて、彼らは延々ここにたむろし続けるという素晴らしい仕事に従事しているようなので、ここでスニーキング・スーツを着たまま長話をしたり、メタルギアのテーマ曲を流しながらジョージ・ワシントン像にすがりついて力尽きることはできない。

イサム・ノグチ作のRed Cube。下強Kを撃ってはいけない。
目的は達したのでさっさと帰ろうかなと思ったのだが、まだ朝9時にもなってなかったのでついでにワールド・トレード・センター跡地を見た後、ロウアー・マンハッタンの端まで行ってやることにした。これらの場所は歩いて1時間あれば回れる距離に位置しているので、まあついでにやるのがいいのだろうと思う。

ワールド・トレード・センター跡地。「新しいカテゴリーの戦争」が始められた場所。
ワールド・トレード・センター跡地にはフェンスが張り巡らされているので、基本的に何がどうなっているか外部からうかがい知ることはできない。何かツアーらしきものが組まれているようだった。

ボーリング・グリーン内にあるモニュメント。

そのまま南に向かって歩くとボーリング・グリーンに行きあたる。昔はここでボーリングが行われていたらしい。「ボーリングの歴史を研究したい」と言ってフルブライト奨学生になった場合はここに来ればいいと思う。

自由の女神っぽい像が見えたが天気が悪かったので残念な結果に。まあこの距離からならどの道残念だろうと思う。

ずっと歩いていると最終的にハドソン・リバーに行き当たることになった。ここからフェリーに乗って自由の女神像まで行くコースが定番のようだ。歩いていると結構暑くなってうんざりしてきたのでまた歩いて俺は帰った。

2012年7月28日土曜日

MHP3HDが今更(多分)好評発売中!な件について

久しぶりにMHP3HDをやるとアドホックパーティーが劇的に改善されていた。1年前にこの水準だったらあと10万本は売れたんじゃないかなと思う。以下が目に見えて改善された点である。


  • HD版使用者の集会所の入退室がアイコンが点灯することで一目で分かるようになった。
  • 最初に部屋に入室した際に大きな文字で操作方法が記載されるようになった。
  • チャットの表示スピードが上がった。
  • 仮想キーボードのレスポンスが上がった。
  • 部屋の退室時に「退室中」フェイズが挟まれるようになり、設定上はいちいち初期画面まで戻って部屋をサーチする必要がなくなった。
  • 通信安定性のさらなる向上(ただし、未だに途中で切れることや他の人が見えないなどのバグは発生する)。
 正直やっと「MHP3HD〈試作版〉」が終了しつつあるなと思う。1年前にこの水準でオンライン協力プレイができていれば・・・。そしてMH3Gがこの水準のオンライン協力プレイを提供できていれば・・・と思わずにいられない。1年前にこの水準だったらMHP3HDには定価3500円ぐらいの価値はあったと思う。仮に俺がまだMHP3HDを買っていなかったら今なら2000円~1500円ぐらいで買ってもいい。
 というわけで2011年8月25日に発売された「モンスターハンターポータブル3rdHDVer.」は2012年7月に「好評発売中」となりました。カプコン(とSCE)の次回作にご期待下さい。

2012年7月26日木曜日

終わり―!

今日NY州司法試験が終わった。
 これで俺の留学のスケジュールは全部終わった。あれだわ。一狩り行かざるを得ない。

2012年7月14日土曜日

黒い服を着た男

最近俺の夢には黒い服を着た男が出てくるんだ。
 俺は夢の中で吐しゃ物と黒く変色したガムの張り付いた土曜日の朝のマンハッタンの下水道みたいな歩道で、ノック・アウトされた格好で(伸びちまった蛙みてぇな気分で)寝っ転がっているといつも俺に近づいてくるビッチが居る。でも違うんだ。ビッチじゃない。女じゃねえんだよクソったれが。俺が顔を横に向けると決まって黒いズボンにじじ臭い色のソックスとフレッシュマン・セールで売ってるようなぱっとしねぇ革靴を履いた奴の足が見えるんだ。
 俺はしばらくそのままで、その足をうんざりした気分で見つめるんだ。長い間見てるときつくしまった革靴で寄ったソックスのしわがどうなっているか、ソックスのヨモギみてぇな色と靴の色のコントラストとかが気になるんだけど、でもそれ以上に俺はこの状態でも、「蛙みてぇな状態」でも満足していると感じるんだ。満たされているんだよ。お前。薬も酒も、何も無くても、世界の終わりみたいな道路でノック・アウトされてても、幸せでいられる。幸せなんだよ。俺は。
 ああ?足から上?馬鹿お前、俺はもう満足してるんだぞ?その男のクソみてぇな終わっちまった足を見てるだけで俺はもう、満足なんだ。顔をすりつけたいくらいなんだよ。できることならガキが履くような靴にキスしてやりたい。頬をすりつけながら、奴の靴が白くなるまで俺の顔の油をすりつけながら、キスしてやりてぇんだ・・・。そんな満足。でも俺が感じるのは道路の冷たさとまき散らされたゲロと小便の臭いなんだ。それで全部なんだ。
 しばらくするとその「足」は俺の視界から遠ざかっていく。は?そりゃもう・・・そりゃもう終わりだよ。何もかも終わりだよ、お前。さっきまでの熱い感情はもう、全部消えちまう。一切だ。俺の周りにはゲロと小便、ゴミとガム、ガム、ガム、ガムだ。ガムだよ、お前。黒人も白人もシナ人も全員クソみてぇな人生を送りながら吐き出していったガムだ。俺の目に映るのは奴らが吐き出して、奴らが踏みつけて、奴らがぺしゃんこにして、ガチガチに黒くなっちまったガムだけよ。そうなるともう、俺だけ、俺だけこの凍ったベルトコンベアみてぇな道路に取り残されちまったみたいで、泣きそうになっちまう。腹の下辺りがぐずぐずして、そのまま小便も出しちまいそうになる。分かるだろ?お前?あれだよ、ハイ・スクールで俺だけ棒高跳びを失敗した時と同じ感じだよ。失敗だ。全部失敗なんだよ・・・。俺も、お前も、この机も、椅子も、あの道路も、酒も。残るのはあのガムだけだ。
 いや、その黒い服を着た男を見たくないわけじゃない。チャンスはあるんだ。チャンスはあるわけだ。だって毎日のようにその男は俺の夢ん中で俺に近づいて、そして去っていくんだから。衛星みたいに規則正しい奴だよ。だから俺は見ようと思ったら見ることができる・・・。でも見ないんだ。俺は。さっきも言ったろ。俺はもう、満足なんだ。その黒い服を着た男の足を見てるだけでな。
 ああ?何で男って分かるかってお前、そりゃあんな爺さんみたいな格好だとそりゃ多分爺さんみたいな奴が立ってんだろ。あんなださい格好をするのは爺さんだと相場が決まってる。
 しつこいな。お前も。だから誰だかは知らねえって。夢の世界の住人でいいだろ。
 帰れよ。お前と話してるとうんざりする。今日もあの夢を見るだろうよ。お前のせいでな。

 僕は10ドル札2枚をテーブルに置くと足早に店を出ていった。ボランティアにしては良くやった方だろ?僕は?だから明日もあのじじいの話は聞いてやる。あのじじいが何回同じ道路でノック・アウトされて何回足を見ていくつガムを数えようとも、僕は話は聞いてやるよ。いつかあの男の正体も分かるかもしれない。僕は帰ったらお尻の大きい方の女の子に電話することにした。彼女はもうベルトの部分まで見えているらしい。僕はまだガムしか見えないけど。