2011年5月31日火曜日

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 感想

 先週末に彼女とパイレーツ・オブ・カリビアンを観に行った。某国民的海賊漫画のおかげで海賊は日本人になじみの深いものとなったが、今作では「黒ひげ」や「人魚」など某国民的海賊漫画を意識させるようなキャラクター達が登場していた。残念ながら主人公は体が伸びたりしないし、特に際立った剣の腕があるわけでもない若干某国民的海賊漫画の船長とは違った意味で頭のねじが飛んでいるので、それを武器に戦うのだ。ジャンプで連載されている場合はこんなに主人公らしい能力の無い主人公だと余裕で打ち切られそうな気がするが、今作の黒ひげや、前作のディヴィ・ジョーンズなどの他と一線を画す能力を持った者がことごとくジャックと比べて残念な頭の持ち主なので、そこを上手く利用してなんとかやっている・・・らしい。前作からギブス君とバルボッサ(と付属のサル)を除いて全員主要メンバーの総入れ替えが行われた。
 さて、肝心の内容であるが、個人的にはまあ楽しかった。「まあ」と付けたように、俺はもうワールド・エンドで終わりにすれば良かったとは思うが、他方で、両津やジェームズ・ボンド的な位置付けてジャック・スパロウの話が延々続いてもファンは喜ぶのかもしれないとも思う。話の下地がいわゆる「海洋冒険ロマン」みたいなものなので、某国民的海賊漫画が延々続けられるように、旅の内容と求めるお宝と登場する敵を変え続ければ延々シリーズを続けることもできるとは思う。少なくともランボーやジョン・マクレーンよりはキャラクターは魅力的だろうし、主人公が基本的にパワーアップしないため、某死神漫画(最近はただの念能力漫画)のように敵と主人公の能力競争を延々続ける必要もない。「何・・・だと・・・?」と言わせ続ける必要も無いし、実はそれは幻覚だったとかいう展開も必要ないし、実は隠された能力があったとか後で言う必要も無い。何よりジャック・スパロウの性質上、登場人物のリストラにそれほど理由がいらないのでシリーズを続ける点では便利である。ジャックに「孤高の海賊」という肩書きを付けたのもある程度の連続性を保ちつつも物語の刷新を自然に行うための戦略なのではないかと思う。
 仮にジャック・スパロウの物語に一本の筋のようなものがあるとしたら、それはバルボッサとの因縁と作り手側は考えているのだろうなと思った。露骨なネタバレになるのであまり詳しい内容には立ち入らないが、やはり今作でギブス君以外にバルボッサを継続出演させたことには意味がある、と考えるべきだろう。物語中でもバルボッサの働きは中々重要なものだった。
 一応今後もシリーズが続きそうな気がするが、前作のエリザベスと違い、新たなヒロインであるアンジェリカは本編中では描写が結構薄かった点が気がかりである。終わり方としては次の話で彼女のことにもう少し触れそうな気はするが。まあ、あくまでペネロペ・クルスが「パイレーツはもう十分!」とか言い出さない限りの話である。

0 件のコメント:

コメントを投稿