2010年9月22日水曜日

テロリスト製造計画

 今アメリカで話題になっているのが中東にお住まいの方が観光ビザなどでアメリカへ赴き、そこで出産することで市民権を獲得し、アメリカで育てた後、本国へ帰還して子どもがテロリストとなるという遠大な「仮説」である。
 確かに(かかる時間を抜きにすれば)有効な策であるが、こんなことを取り締まっていると、観光客はいずれ誰もアメリカで産婦人科にかかることができなくなってしまう・・・。まあこの「仮説」を論じている政治家は、元FBIからの証言という、極めて曖昧な根拠に基づいてアメリカ国民の不安を煽っているに過ぎないので、今の段階では特に心配しなくてもいいのでは、と傍目には思う。
 しかし、この間のモスク建造、コーラン焼却の事件なども考えると、宗教を人生の一要素としている人にとっては、自分の人生そのものが脅かされるという、潜在的な恐怖が継続的に存在している状況にあるのだろうなと思う。この感情については全く宗教を自分の一要素としていない俺には全く理解できない。最近はやっている「死ぬ前の話」をする段階になって必要になったりするのだろうか。
 そういった宗教を人生の一要素としている人にとっては、宗教と論理性を両立することが難しくなるのかもしれない。他人の「大切」と自分の「大切」について、どちらを「大切」とすることが自分の人生において合理的かどうか、といったことを論ずること(すなわち、この問題でかかる「仮説」の遠大さを論理でもって嘲笑すること)の意味は無いのかもしれない。おそらく、多くのイスラム原理主義者(より正確に言えばイスラム極端主義者)たちは感情でもってアメリカが嫌いなのだろうなと思う。

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