2010年7月12日月曜日

無責任な責任論

 民主党が参議院議員選挙で目標としていた議席数を獲得できなかったことを受けて、早速日本お得意の無責任な責任論をメディアが報じまくっている。管首相は確かに消費税の議論を選挙までの短い期間で行うという愚行をしでかしたが、まだ鳩山内閣が総辞職してから1ヶ月程度しか経過していないのに、責任を取って止めろと言われても・・・。
 彼が今辞職して何かしら国政を動かすに当たってメリットがあるのだろうか?ただでさえ日本の総理大臣が頻繁に交替する点で、世界の先進国の中でも日本は「特異」な存在で、トップ同士が信頼関係を築くにも築く前に交替してしまうことが批判されている。そもそも「内閣総理大臣」の働きは1ヶ月程度で評価できるものではないだろう。バイトに遅刻したファミレスの店員を馘首するのとは訳が違うのだ。
 もし今のタイミングで内閣総理大臣が今回の選挙の「責任」を取って交替することを主張するのであれば、今のタイミングで内閣をもう一回ぶっ壊すことのメリットと一緒に論じてもらいたい。トップの人間が失敗したらとりあえず「責任を取って辞めろ」という浅はかな議論をする限り、日本のメディアは「マスゴミ」と呼ばれ続けることになるだろう。誰かの失敗を「責任」という言葉で糾弾するのであれば、せめて糾弾するに足る理由とその後に用意されるべき対応策を明確にしていただきたい。それが責任を論じる者の「責任」である。
 

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