2010年5月10日月曜日

劇場版銀魂 新訳紅桜編 感想

 GW中に銀魂の映画を観た。個人的には銀魂のアニメを毎週観るのが習慣となっていたので、レギュラー放送が終了してからは1つ世界がつまんなくなったと思っている。もっともアニメという手法上、もう話のストックが原作に完全に追いついている状況であったので、多くの場合はろくでもないオリジナルの展開(え?何この焼き直しのキャラ設定みたいな奴が沢山登場するパターン)をだらだら続けるよりは良かったと思う。
 銀魂を一言で言えば「放送コードがなんぼのもんじゃい」である。面白い話を作るためには手段を選ばない。特に真選組(特に近藤さん)が関わる回は80%ぐらいの確率でモザイクとピー音が登場する。主人公は糖尿病だし、ヒロインはゲロ(今回の映画では痰)を吐くのだ。他方で決めるところはきっちり決める・・・かもしれない。大体長編は前半でめちゃくちゃ暴れまくって後半で感動させるというパターンであるが、映画も紅桜編という1つの長編を再編したものだったので、基本的にはこのパターンであった。そして本編終了後にさらにめちゃくちゃにした・・・。
 今回の紅桜編の大筋をかなり手短に説明すると、行方不明になった桂を万事屋が調査していく内に、銀さんが桂を斬った岡田と戦って負け、事件の背後に銀さんや桂と共に昔攘夷戦争で戦った高杉らがいて、岡田の用いた刀が紅桜と呼ばれるやばい刀で、それを使って幕府転覆を企む高杉たちを止めるために、再起した銀さん達万事屋が戦うという話だ。実はこの話の映画化はテレビ版の方でたびたび嘘予告として流れていたものである。
 感想であるが、時間が制限されていただけに、上述した長編のパターンには持って行きにくかったのかもしれない。後半の感動の部分も鉄子の兄の描写が不十分だったことと、高杉という、銀魂の全話を通じて10回も登場しないくせに人気投票ではかなり上位に入るというキャラのせいで、妖刀をめぐる話と言うよりは銀さん、高杉、桂の関係をめぐる話に比重があったように見えた。多分漫画やテレビ版を観てない人が初めてこの映画を観ても、「結局高杉とかって何?」という感想を持つことになるだろう。映画以前の問題として彼らの問題は本誌ですら未だに解決していない。というか銀魂が連載終了ぐらいの流れにならないと、もしかしたら作者は銀さんの過去の話の全容を明かさないのかもしれない。
 テレビ版での斬りあいもかなり滑らかに描かれていたが、映画版ではさらに新規カットや最後の桂との共闘シーンが増えて疾走感が増している感じである。実際、バトル漫画であるNARUTOやブリーチよりも銀魂のバトルシーンの方が、必殺技も何も無く、ただ斬りあうだけなのに綺麗に描かれている場合が多いし、銀さんの決め台詞もまともに聞こえる。
 今後の銀魂についても、完全にテレビ版放送の道が断たれているわけではないらしい。ガンダム00のように明確にシーズン分け方式を採用しているわけではないが、とりあえずこれで終わりというわけではないみたいだ。銀さんの「終わりだぁ?まだ始まってもいねぇよ」という言葉を信じたい。ちなみにこれは北野映画の台詞をパクっているらしい。分かりにく過ぎて新八のつっこみの意味が分からなかったが。とりあえず最後の嘘予告が再び実現されることを祈る。
 
 
 

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